平成29年7月12日(水)倶知安町北2条西1丁目の某居酒屋のポストに投函されていたものです。

 

☆キタキツネのTOMさんのひとり言(仮題)

 

 バイクライダーの皆さんにお願いします。

僕たちのここでの暮らしを、あなたたちの声で守って下さい。

 

私は、キタキツネのTOMです。ようこそニセコにいらしてくださいました。

僕は、この時が来るのを、5年前からずっと待っていました。

 今、いえ、もうすぐ僕たちはここを出て行かないといけなくなるでしょう。なぜなら、この大きなコンドミニアムの建物の建てられている場所は、もともと、僕の生活の場所だったからです。

 毎朝、夜明けと共に、この場所で獲物を捜してきたからです。

 昨日、いよいよコンクリートが流されて、もう僕がどんなにこの工事のストップするのを願ってももうおしまいです。

 そこで、最後の頼みは、遠い国、遠い場所からここに集まってくださったあなたたちが、私の最後の頼りとする人たちなのです。

 この街で、僕は5年間「助けて!!」と叫んできましたが、なぜだか警察の人にも、ヒルトンホテルにも相手にしてもらえず、もうあきらめかけていました。

 バイクライダーの皆さん、ここは日本ではありません。安全と思わず、貴重品の管理は特に気を付け、大切な物は必ずカギのかかるところにしまってください。

 ホテルも警察も、あなたを守ってくれません。

 外国にいるような気持で「ニセコ」を楽しんでください。

 僕のふるさと「ニセコ」は 今、お金の大好きな人たちにまるで投資ゲームのように、世界各地の大金持ちに、1億円から3億円という高額な値段で売られています。

 わずか2LDKの広さしかなくて、共益費がこのビジネスで得られる賃貸収入より高くなるかもしれません。でも、お金持ちの人は、それでもここを買ってます。僕たちは、超セレブの外国人の投資ゲームに住む所を奪われたのです。

 

僕たちは野生のキツネです。ルールを守って生きてきました。でも人間達が、いつの間にか、僕たちの住み家と餌場を奪おうとしています。

 昨日(7月7日、日本では七夕の日で、子供達が、願い事を書いた色紙を笹の枝に結んで、家内安全を祈りました。)

 散歩して工事現場の側を通って、大きく空にそびえ建つコンドミニアムを見ました。時々、お弁当を食べている工事の人達とは仲良しです。

 あの人達は生活していかなければならないので働いているけど、このままでいいとは誰も思っていないはずです。

 でも誰も「ここはキタキツネとタヌキの場所だから工事をやめよう」とは言ってくれない。 

 誰か、僕達を守って下さい。あなたたちが、僕の最後の希望です。この大きく空をえぐるコンドミニアムをなくして、元の自然に戻して下さい。僕たちに、以前のような平和な日を贈って下さい。

 

 僕は最近「認知症のキタキツネ」と言われ、親しい家族にも「黙っていろ、もうしょうがないんだから」と言われ、誰も僕の言う事に耳を傾けてくれません。北海道警察のF警部補も、そして、その上司の人も“ボケキツネ”と言って話を聞いてくれません。

 きっと、人間の世界の偉い人達が、手を組んで僕のことを追い出そうとしているとしか思えません。次に頼りにした「日経新聞」も「北海道新聞」にもできる限りの事をして訴えてみたけど、誰も話を聞いてくれなかった。

 もう戦い疲れました。

 だから、最後の力を振り絞って言わせてもらうよ。

 「go out People !!」

 

7月7日、午前4:00。.空にそびえる大きなコンドミニアムのすぐ近くで、この辺であまり見かけない人間に会ったよ。そして僕は、僕の代わりに希望を託したよ。

 “どうか、僕たちが、今まで通り、ここに住む事が出来るよう、世界の皆さん助けて下さい”

あの時、人間にしたように土下座して頭を地面につけ、体を差し出してお願いしてもかなわない、僕の願いを、どうぞ心の片隅にでもとどめておいて下さい。

7月9日(日曜日)、皆さんがスタートされる10mにもならないところで、僕が食事しているって事、忘れないで下さい。

 大切な時間、僕と僕の仲間の名誉の為にお話を聞いてくださり、本当に感謝します。

 この大会後、ここに静けさが戻るよう願っています。

 ご静聴ありがとうございました。

PS:これは全て真実です。神の名に誓います。